nehanリトリートは「本当の私に気づく」ことを大切にしたプログラムです。今回はコーディネーターの田中さんに、リトリートの場づくりや「自分とつながる」ことの意味について伺いました。
気づきの種を一緒に育む
名田
今日はnehanリトリートを一緒に創っているりえちゃん(コーディネーター:田中)に話を聞きたいと思います。 リトリートの場を作る人間として、りえちゃんはどんなことを意識してやってますか?
田中
そうですね、nehanリトリートではワークの合間にシェアリングの時間を取っていますが、一貫してその度に言っているのが、nehanに来てくれた参加者さんに蒔かれた「気づきの種」を一緒に育んでいきたい、ということなんです。 「一緒に」というのは、遠く離れていてもそれぞれが自分の場所で花を咲かせていくイメージ。
田中
その気づきの種が育まれて花が咲き、世界中にいっぱい花が咲いて、世界に彩りが増していく。そんなイメージを私は大事にしています。 参加者さんと私の間に区別はなくて、運営と参加者という関係ではなく、同じ体験を共有して気づきの種を育んでいく仲間なんです。 その場で出会った人すべてと関わりたい。帰ってきてほしいし、それ自体がご縁だと思っています。
名田
なるほど。もちろん「nehanリトリート」という形でサービスとして世に提供はしているけれど、本質的にはご縁やタイミングの合った人が集まっている。 「運営とゲスト」という区別はなく、その場を共に創る人間として関わっている。
田中
それがワンネスの世界観だったり、仏教でいう「涅槃」にもつながると思っています。 「I」というより「We」の世界観に、世界はどんどん変わっていっている。 みんなの前に現れる課題は、私自身の課題でもあると感じています。
名田
なるほどね。
田中
その場にいる人同士がお互いを映し合っている。 フラワー・オブ・ライフのように、気づきが重なり合って広がっていくイメージで。
名田
それってどういう感じ?
田中
一人ひとりが円形の花を咲かせた存在で、それらが重なり合って模様を描いていく。 まるで宇宙全体の成り立ちを反映しているようなイメージなんです。
名田
なるほど。その模様を描くには、まずはひとつひとつの花がちゃんと咲いている必要があるね。
田中
そう。まずは自分自身とつながっていることが大前提。 nehanリトリートで大事にしているのも、呼吸を通して自分自身とつながることなんです。
呼吸と共に自分を取り戻す
田中
呼吸って、唯一無二の自分だけのもの。リズムも人によって違う。命のリズムそのものなんです。 その呼吸とつながることで、自分とつながれるんです。
名田
なるほど。
田中
呼吸は「プラーナ」って言われるもので、心と体をつなぐ架け橋とも言われています。 だから呼吸に意識を向けることが、自分とつながるためのツールになる。nehanリトリートでやっている呼吸のワークのすごさは、呼吸を通じて「本当の私」と出会えること。呼吸とつながることが、本当の自分に気づくための近道なんです。
名田
つながるっていうのは、具体的にはどういうこと?
田中
まず「自分が呼吸をしている」ということに気づくこと。 普段は無意識にしている呼吸に意識を向けて、「呼吸をしている自分」に気づくことです。
観念やフィルターを外す
田中
例えば、小さい頃の体験や環境で植え付けられた「観念」や「思い込み」が深く根付いて、それが大人になってからもフィルターのように働くんです。
田中
私自身、体が弱くて幼少期は入退院を繰り返していました。 親に迷惑をかけたらいけない、心配をかけたらいけないと思い込んで、しんどくても「大丈夫」と言ってしまう癖がついていたんです。
名田
なるほど…。
田中
でも「これはフィルターだったんだ」と気づいて、それを横に置けた時、ありのままの目の前のことや自分自身をフラットに見られるようになる。 そうやってゼロの状態に立ち戻ることが「本当の私とつながる」ということなんです。
名田
そういうことね。それには呼吸がキーになる。呼吸に意識を向けることで、フィルターを外して、ただ「呼吸している自分」と出会える。
田中
そう。呼吸は心と体をつなぐ架け橋。ヨガという言葉自体も「つなぐ」「結ぶ」という意味なんです。 だから呼吸を通じて自分とつながることが、「本当の私」と出会う一番の近道になるんです。
自分とつながることで観念やフィルターを外し、「本当の私」に立ち戻ることができる。
次回の後編では、呼吸を通じて参加者がどんな変化を経験し、命の尊さにどう気づいていくのかを深掘りします。