気になることがあっても、どこかで自分を止めてしまう。その理由を、普段は意識していなかった。
庭山佳代さんは、3日間を過ごす中で、幼い頃の記憶と今の自分の振る舞いがつながったと話す。好奇心のままに動いた経験を、いつの間にか「自分が悪かった」と受け止めていた。その気づきが、自分の内側を見つめる怖さにもつながっていたという。
やがて、見えてくるものを待つのではなく、自分から覗いてみようという気持ちが生まれた。そこで浮かんだのは、子どもや親が自分らしく生きることを支えたいという、以前から大切にしていた思いだった。
好奇心のままに動いた自分を、責めていた
保育園で母の迎えを待っていたときの、寂しさや不安。最初は、その記憶が自分の中に強く残っているのだと考えていた。
さらに思い出したのは、親がいないところで迷子になったり、溺れたりした経験だった。本人にとって、それらは好奇心から動いた結果でもあった。周りに迷惑をかけたと感じても、その場で甘えられる相手がいない。気持ちを出せず、我慢して家へ帰ったという。
庭山
好奇心から動いてしまった自分を、また責めていたりして。
これは、本人が今回の体験を通して見いだした、自分なりのつながりだ。「これでいいのか」と思えたとき、楽になったと振り返る。
自分を見るのが怖かった
自分のことをもっと知りたい。一方で、内側を見るのが怖いという感覚もあった。呼吸の時間にも、「この暗闇の中は見てはいけない」という思いがあったと話す。
個別に話す時間を経て、再び呼吸へ向き合ったとき。最初は怖かったが、少しずつ「その先を覗いてみようかな」という好奇心が顔を出した。
庭山
暗闇の先を覗いてみる。「ちょっと行ってみようかな」って。その好奇心が出たときに、そのまま行ったら見えた、みたいな感じでした。
待っているだけでなく、自分から覗いてみる
最後の呼吸の時間には、自分の向き合い方にも変化があった。何かが現れるのを待つ感覚から、自分で確かめに行く感覚へ。
庭山
見えるのを待つんじゃなくて、自分から覗きに行っちゃえ、みたいな感じで。行ったら、どんどん自分が見たかったものが見えた、という感じです。
本人が語るのは、その場で浮かんだイメージや感覚についての体験だ。そこで見えてきたものは、日常から切り離された新しい目標というより、以前から持っていた願いにつながっていった。
子どもが自分らしく育つために
赤ちゃんや子どもが、自分らしく育っていくこと。そのために、親も自分らしく生きること。これは、ずっと大切にしてきた思いだった。ただ、それをどう形にしたらよいのかが分からなかったという。
森や土、親子のイメージをたどるうちに、看護師としての自分や、人の心を大切にしたいという思いがつながっていった。そこで浮かんだのが、「母性を育む」という言葉だった。
庭山
母性は、男性にも子どもを産んでいない人にも、みんなにあるものだから。それを育てていくことが、私の使命になるのかな、というところに最後は行き着きました。
本人が「母性」という言葉に重ねたのは、優しさ、愛情、人への思いやり。それが広がり、愛が循環していくような場をつくれたら。そんな将来像を語ってくれた。
自分とつながり直す、3日間
これから参加する人へ、悩みがあるときや、先が見えなくなったときに、自分を見つめ直す時間を持ってほしいと話す。
庭山
本当にまず、自分とつながる。自分を見つめ直す、濃い3日間を過ごせるので。ぜひ受けていただきたいと思います。
nehanが大切にしているのは、自然の中で自分の身体や感情に向き合い、本人の言葉で確かめていく時間。庭山さんにとっては、自分を止めていた理由に気づき、好奇心の先にある願いを見つめる3日間になった。
- 幼い頃の経験と、自分の好奇心を抑えていたことのつながりに気づいた
- 自分の内側を見る怖さの中に、覗いてみたいという気持ちが生まれた
- 子どもと親が自分らしく生きることを支えたいという思いを見つめ直した