この記事の要点
- 瞑想で疲れるのは、雑念を消そうと力を入れるから。瞑想のせいではなく、頑張り方のせいです。
- 採点しながら座ると、目を閉じたまま仕事を続けているのと同じ。肩がこるのは、そのことが多いです。
- 疲れない瞑想は、うまくやるのをやめて「気づくだけ」に回るところから始まります。
瞑想で疲れるのは、雑念を消そうと頑張るからです。 浮かぶたびに「ダメだ、戻れ」と力を入れると、身体は休むどころか小さな緊張を繰り返します。 10分後に肩がガチガチなら、それは練習不足ではなく、頑張りすぎの合図です。
僕も最初の数年は、終わるたびに身体が重く、仕事より消耗していました。あれは瞑想ではなく「瞑想のテスト勉強」でした。ここからは、あなたの相談に答えていきます。
瞑想で疲れるのはなぜ?
身体が休んでいないからです。目を閉じていても、頭が「うまくやろう」と働き続けていれば、筋肉はゆるみません。
瞑想中に雑念が止まらないのは失敗?
失敗ではありません。思考が浮かぶのは脳のふつうの働きです。 疲れるのは、浮かぶこと自体ではなく、浮かぶたびに「消そう」と力を入れるから。 水面を手で押さえて平らにしようとするほど、波立ちます。
目を閉じているのに、なぜ肩がこるの?
「今うまくできてる?」と採点しながら座っていることが多いからです。 目を閉じていても、心は会議中と同じ仕事を続けています。 研究では、瞑想中の疲労感や不快な体験は珍しくないと報告されています(Lindahl 2017、Britton 2021)。気持ちの弱さではありません。
静かにすると、嫌なことばかり浮かぶのは?

昼間に押し込めていたものが、静かになった途端に顔を出すからです。 既読のつかないLINE、上司の「ちょっといい?」の声、来月の支払い。人間関係・仕事・お金の悩みを抱えたまま座ると、瞑想の疲れはその悩みの重さでもあります。 浮かぶのはしんどいですが、気づけたこと自体は悪いことではありません。
中止したほうがいいサインは?
強い不安・動悸・フラッシュバックが出たら中止し、医師や専門家に相談してください。それは「よく触れている合図」ではなく、やめるべき合図です。
「頑張らない瞑想」に切り替えるには?

先に変えるのは量ではなく、やり方のほうです。
毎日20分続ければ楽になりますか?
疲れる型のまま時間を延ばしても、楽にはなりません。やるほど癖が固まるだけです。
時間を延ばす
疲れる型のまま20分にしても、消耗が増えるだけ。
正しい方法を探し続ける
方法を変えても「採点する自分」が同じなら、結果は同じ。
雑念をゼロにする
思考は自然な働き。ゼロを目標にすると、かえって苦しくなりやすい。
自分でできることは?
やることは「雑念に気づいたら、そのまま放っておく」。それだけです。 「あ、考えてた」と気づいた時点で、もう戻っています。
- 小さく試す(3分の身体の瞑想):お尻が座面に触れている感じだけを追う。「物足りない」で終えるほうが続きます。
- 浮かんだことを書き出す:座る前に、気になることを紙に3行。頭に置いたままだと、何度も浮かんできます。
- 疲れた日は休む、やめる:その日は座らない。それも実践のうちです。
一人でやる? 誰かと? 場に参加する?

疲れ方によって、合う形が違います。
- 自分で:3分の身体の瞑想。費用がかからず、今夜から試せる。合わなければすぐやめられる。
- 専門家と:強い不安や不眠を伴うなら、医師やカウンセラーへ。瞑想はケアの代わりにはなりません。
- 場に参加する:一人で試しても同じ反応に戻る人向け。環境ごと変える。
全体の考え方は瞑想との付き合い方に。雑念や採点との向き合い方は瞑想の効果を感じないときで分けて扱っています。
一人では戻ってしまう人へ
意志の弱さではなく、日常の環境が「今」に戻ることを許していないことが多いです。
一人で試しても、また採点モードに戻ってしまうのはなぜ?

頭でわかっていても、身体がその状態を知らないと戻ります。 洗い物が目に入り、スマホが震え、思考が明日へ飛ぶ。 それなら、環境ごと変える選択があります。
場を選ぶとき、何を見ればいい?
安全の物差しは5つです。
- 主催者の経歴:どんな訓練を経てガイドしているか。
- 途中で断れるか:合わないとき、抜けられる仕組みがあるか。
- 料金とキャンセル:追加費用や返金の条件が明記されているか。
- 終わった後のフォロー:帰ってからの連絡先や期間があるか。
- 呼吸法の強さと付き添い:強い呼吸法を使うなら、付き添いと持病の確認があるか。
くわしい基準はリトリートの選び方に書いています。
いきなり2泊3日で大丈夫?
不安なら、まず診断会で話してから決めて大丈夫です。合わないと感じれば、参加しなくていい。 nehanの「走馬灯をみる旅」は、八ヶ岳・小淵沢の森で2泊3日。帰ってからの14日は、気づきを暮らしへ戻す期間として続きます。一人で何度試しても同じ反応に戻る人のために、流れはこう組んでいます。
緊張をほどく
「採点する頭」から先に離れる。
深くへ
ガイドとともに、段階を踏んで入る。
持ち帰る
帰ってからの14日に、暮らしへ根づかせる。
FAQ
Q: 瞑想で疲れるのは、向いていないから? A: 向き不向きより、やり方の問題が多いです。頑張る型から気づく型へ変えると、感じ方が変わる人がいます。
Q: 一人で瞑想しても戻ってしまう。場に参加するのはどんな人向け? A: 一人で何度試しても同じ反応に戻る人、日常の環境では深く入れない人向けです。
Q: 呼吸法がこわい人でも大丈夫? A: 途中で断れる場を選んでください。持病や不安があれば、事前に伝えてください。
Q: 眠くなるのは失敗? A: 失敗ではありません。身体が休みを求めているのかもしれません。
「頑張らない」が頭でわかっても、身体が覚えるまでには時間がかかります。一人で抱えなくていい。 あなたの疲れ方がどれに当たるか、診断会で一緒に見てみませんか。
本記事は一般的な情報であり、医療上の助言ではありません。効果には個人差があります。体調に不安がある場合は専門家にご相談ください。
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出典・参考
- Britton WB ほか (2021) マインドフルネス実践に関連する不快・有害体験の定義と測定(Clinical Psychological Science)
- Lindahl JR ほか (2017) 瞑想体験の多様性に関する質的研究(PLOS ONE)
- Brewer JA ほか (2011) 瞑想経験とデフォルトモード・ネットワーク活動の関連(PNAS)
- Kabat-Zinn J. マインドフルネスストレス低減法(MBSR)に関する著作